夜間救急の利用時の注意「緊急性の高い症状」

当院では、下記のような「緊急性の高い症状」がみられた場合には、できる限り迅速な受診をお願いしております。小さな身体の動物たちは、病状が急激に進行することも多く、早期の対応が命を救うカギとなります

1. 呼吸困難(息が苦しそう、口を開けて呼吸する(特に猫))

  • 特徴 口を開けたり、首を伸ばしたり苦しそうに呼吸をしている(特に猫での開口呼吸は危険信号)。舌や歯茎が紫色になっている(チアノーゼ)。長時間横になって休めず、落ち着きがなく肘を広げて座った状態で苦しそうに呼吸している。お腹で呼吸をしている。興奮していない状態で1分間に40回以上の呼吸回数がみられる。
  • 疑われる疾患 肺水腫、肺炎、気管虚脱、喘息、胸水、異物誤飲など
  • 緊急度 極めて高い(数分~数時間で命に関わることも)

2. けいれん・意識障害

  • 特徴 突然倒れてガクガクと震える(間代性痙攣)、あるいは全身や四肢が硬直し(強直性痙攣)意識がもうろうとして呼びかけや刺激に反応しないなどの症状発作が止まらないこともある(重積発作)。脳神経疾患では眼の揺れや斜頸、首を後ろに仰反るような姿勢をとる(後弓反射)こともある
  • 疑われる疾患 てんかん発作、低血糖、中毒、脳疾患
  • 緊急度 高い(早期治療が必要)

3. 嘔吐・下痢の激しい継続(特に子犬・子猫・高齢)

  • 特徴 1日に何度も吐く、あるいは血が混じった下痢が止まらない、ぐったりして食欲や元気がない。
  • 疑われる疾患 異物誤飲、感染症(パルボウイルス感染症など)、膵炎、腸閉塞など
  • 緊急度 中~高(子犬・子猫、高齢の犬や猫では命に関わることもある)

4. 尿が出ない/頻繁にトイレに行くが出ていない

  • 特徴 何度も排尿姿勢をとるが尿が出ない、閉塞時には苦しそうに鳴き続ける、元気・食欲がなく、症状が進行すると腎障害からの嘔吐や意識障害がみられる。下腹部に硬いボール状の膀胱が触知できる(尿道閉塞の場合)。閉塞ではなく膀胱炎による少量頻回尿での来院は多い。
  • 疑われる疾患 尿道閉塞(特にオス猫)、膀胱炎、結石症
  • 緊急度 閉塞があれば非常に高い(数時間で急性腎不全・命の危険)

5. お腹が急に膨れる・苦しそう

  • 特徴 急に腹部が膨張し、苦しそうにしている。吐きたそうなのに吐けない。
  • 疑われる疾患 胃拡張・胃捻転(特に大型犬)、腹水、腫瘍破裂
  • 緊急度 極めて高い(数時間で命に関わる)

6. 出血が止まらない・大けが・交通事故

  • 特徴 出血が続く、足を引きずる、大きな外傷や骨折が疑われる。
  • 疑われる疾患 外傷性出血、骨折、脱臼、内出血、脾破裂、肺挫傷など
  • 緊急度 高い(特に出血やショック症状を伴う場合)

7. 誤飲誤食

  • 特徴 有毒性物質(たばこ、電池、一部の観葉植物、ネギ、ぶどうなど)を食べてしまった、串やひも状異物を飲み込んでしまったなどが急患来院の中で最も多い誤飲あるいは誤食した物により中毒量や危険性などが異なり、催吐処置や緊急の外科的対応が必要な場合もある。可能な限り中毒症状や臨床症状が出る前に処置を行うことが望ましい
  • 疑われる疾患 物により消化管穿孔、中毒ではみられる症状は様々
  • 緊急度 高い(後日に中毒症状が現れるケースも少なくない)

🐾迷ったときはすぐご連絡を

代表的な緊急性の高い症状を挙げましたが、これらの症状が見られた場合ご自身で判断するのはとても難しく、またこれらの症状以外でも生命に関わる可能性が高い場合もございますので「少しでもおかしいな」と思ったら、ためらわずに当院までご連絡ください。可能な限り積極的に対応を致します。